三菱地所物流リート投資法人

社員インタビュー個人投資家の皆様へ

対談メンバー

K.Kさん(左)
三菱地所投資顧問株式会社
物流リート部 IR室アソシエイトマネージャー
銀行及び不動産AM会社での勤務を経て2021年に入社。物流リート部にてアセットマネジメント、財務業務等も経験し、現在は開示・IRに従事。
K.Iさん(中央)
三菱地所投資顧問株式会社
物流リート部 財務チーム次長
不動産デベロッパーでの勤務を経て2011年に当社入社。入社後は私募ファンドの運用管理等を経て現業務に従事。
M.Uさん(右)
三菱地所投資顧問株式会社
物流リート部 財務チームチーフマネージャー
信託銀行勤務を経て2006年に当社入社、アセットマネジメント、私募リート運用管理等を経て2017年に本リートIPOを経験。現在は財務・会計関連業務に従事。

成長と安定を両立するMELの戦略――
分配金成長、財務運営、今後の展望について

1. 上場来の分配金成長、外部成長のトラックレコードについて

K.K
他銘柄比で高い分配金成長率や外部成長を上場来達成できており、これに関して投資家様からも評価をいただいておりますが、この背景について教えてください。

K.I

まず、需要面ではECの拡大、配送の効率化、雇用確保等を背景に、大型、ハイスペック、好立地の物流施設の需要が高いです。
それに伴い供給も増えていますが、新規で開発される案件は建築費高騰等の影響も受け、賃料が高く、リースアップも以前とは異なり、1~2年程度の時間がかかるケースも散見されます。このような新規の物件と既存の物件とで賃料ギャップがあり、それを埋める形で賃料増額が続いています。
MELの保有している物件についてはテナント様のニーズを満たす物件が多く、上場来非常に高い稼働率を維持しつつ、再契約時に5%を超える水準での増額改定が実現できています。

M.U
私は上場時からMELの運用に携わっておりますが、様々な手法で物件が取得できる点が強みだと思っています。スポンサー開発物件の中には大型の物件もありますので複数回に分けて取得するなどの調整を図ったり、マーケット環境によって取得が難しいタイミングであればリースブリッジを活用して、時間の経過にて簿価を下げつつ、取得タイミングを柔軟にすることで、適切な価格で取得できるようにする、ということを上場来から気を配ってきた点も大きく貢献していると思います。

2. 安定した財務運営について

K.K
MELは安定した財務運営ができていると思っており、その点も投資家様にご評価いただいているところだと思います。LTVの低さや高格付を維持できている点等、安定した財務運営の背景について教えてください。また、金利上昇局面においてどのような対応をしていくかも教えて頂ければと思います。

M.U

財務の安定性についてはスポンサーの三菱地所の信用力が非常に大きいですね。主要行をはじめ各レンダーさんが協力的で、良い関係が構築できていると思っています。

K.I
レンダー様は現在26行いらっしゃいます。各レンダー様と定期的にしっかりとコミュニケーションをとらせてもらっているため、実際の案件も円滑に進めることができていると感じています。
また、最近では基準金利が上昇している中で、その対応として変動金利を増やし、コストコントロールを行っています。一方で、安定性の維持のためにも固定金利比率を高く維持することは重要だと思っておりますので、このバランスに留意しながら運営を行っていくつもりです。
K.I
また、LTVコントロールについては上場時に低いLTVを保つことができたことが、強みにつながっていると思っています。MELの上場は2017年ですが、それよりかなり前からMJIAの私募ファンドで物流施設の運用を開始していましたし、三菱地所でもロジクロスの名で物流施設開発を始めておりました。そのため、MELが上場したタイミングは、CAPレートも下がってきていましたが(物件価格が上昇していましたが)、比較的割安な価格で物件取得をすることができました。これらが評価されてエクイティの調達が想定以上に進み、LTVを下げた状態で上場できたという背景があるのではないかと思っています。

2-2. キャッシュマネジメントについて

K.K

現在のマーケット環境ではエクイティ調達が難しいこともあり、手元資金の有効活用に注目が集まっています。日頃の予算管理や運営において、気を付けていることはありますか?

M.U

予算管理に関しては、金利の動向や個別物件のイベント、つまり修繕工事、リーシング状況等は日頃から気を配っています。

M.U
特に物件回りのことに関しては、例えば大規模な修繕工事が複数物件で重複した場合などは、ポートフォリオ全体の収支を考慮し、最適な手法を探っていくことになりますが、この時に物件の運用チームとのコミュニケーションを確りととりながら進めていくことを日々心掛けています。
K.I
修繕工事に関しては、昨今、人手不足や資材不足といった問題も発生し、予定していた工期で完了しないこともあるので、いかに先回りして方針を定めていくか、といった、より長期的な視点をもってキャッシュマネジメントをしていくことが重要だと感じています。また、インフレが進行する中で、コスト増を上回る成長をしていくことが求められていると認識していますので、手元資金を何に使うのが最も効果的かを考えて戦略を練っていきたいと思っています。
K.K
今までは手元資金の活用方法といえば物件取得がメインシナリオでしたが、資本効率・資本コストへの意識が高まってきた足元の環境では、必ずしも物件取得が最適な選択とは限らないので、何が最も投資主価値向上に資するかを考えて各種施策を実行していきたいですね。

3. 直近の取組みについて

K.K

MELは第16期、第17期で資産入替を行いましたが、これに関しては投資家様から高い評価をいただきました。このような良い取組みができた背景について教えてください。

M.U
売却対象となった仙台の物件は、他の物件と比較したときの減価償却後の利回りの低さという点や築年数から修繕費が大きい等の課題があったことから売却に至りました。売買市場は活況ですので、キャッシュフローがしっかりとしている物件は希少性が高く、結果的に仙台の物件も大きな売却益を出すことができ、売却益を投資家様に還元することができました。また、売却資金で取得した2物件は上述のPDPの物件で、築浅物件を魅力ある利回りで取得できたため、投資主還元及びポートフォリオの質的向上が実現でき、良いディールとなったものです。

終わりに

M.U
各国の金利動向、政治動向等、多様なリスクが発生しやすい状況ではありますが、安定した日々の財務運営やキャッシュマネジメントを行うことで、想定外の事態にも対応できるように運営して参ります!
K.I
MELは上場以来、順調に成長を続けてきましたが、まだ成長期にあるREITであると認識しています。現状は不安定な情勢が継続していますが、今後到来する機会を逃さず積極的な成長を実現できるよう運用に取り組んで参ります!
K.K
ここ数年、運用自体は順調である一方、リート市場全体的に投資口価格が軟調な環境が続いています。投資家様と密にコミュニケーションをとりながら、今回の対談なども含めて、様々な方法でより多くの皆様にMELの魅力をお伝えできるように尽力いたします!

(2025年1月実施)

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